事件後すぐに撮影された航空写真112枚が2015年に開示されました。それをもとに土地家屋調査士が調査をした結果被害者の「カバン」が実際に発見された場所と石川さんの「自白」にそった処分地点が全く別の場所であることが科学的に証明されました。※弁護団提出の鑑定資料より(無断転載禁止)
土地家屋調査士は狭山現地での測量もおこない、事件当時の地形や石川さんの「自白」調書、取調べの録音テープなどをもとに▽石川さんの自白の場所▽実際の「カバン」の発見場所▽警察官らが捜索した場所を特定し、発見場所が大きく異なっていることを明らかにしました。
「カバン」が発見された場所は、事件直後に大規模な「山狩り捜査」がおこなわれた場所でした。機動隊や消防団員によって付近一帯が徹底的に捜索され、何も見つからなかった場所から出てきたのです。
上の画像は2010年に証拠開示された捜査報告書の添付図面です。
裁判では石川さんが作成した図面をもとに被害者の「カバン」が発見されたとして犯人しか知り得ない「秘密の暴露」にあたるとされました。しかし開示された捜査報告書では「カバン」を捨てた場所は特定されていませんでした。
この図面をもとに「カバン」が発見されたとされていますが、「カバン」を捨てた場所がまったく書かれていないのに警察はどうやって捜せたのでしょうか。
石川さんの取り調べを録音したテープが証拠開示されました。
石川さんと警察とのやりとりの中で「被害者のカバンをどこに捨てたのか」と何度も問いかけられました。犯行内容について何も知らない石川さんは応えることができず、警察官が様々なヒントを与え、それをもとに自白調書が作られていったことがわかりました。
その短い応答の中でも犯行の客観的状況とは合わない供述がいくつもあり、石川さんが犯人ではないことは明らかです。
取り調べは手錠をかけられたまま長時間おこなわれ、3人の刑事に取り囲まれ自白を迫られました。開示された録音テープでは自白強要や自白誘導の実態も明らかになっています。